構築論

はじめに

こんにちは~てぷです。今回はpjcsの第一回予選を突破したことを記念し、僕なりの構築の組み方について説明する記事を書きました。初めて記事を書いたので至らぬ点も多いことと思いますが是非参考にしていただき、オリジナリティ溢れるあなただけの構築を組んでみてください。

『てぷ』というプレイヤー

※この項目は記事と直接関係のないものとなりますので読み飛ばしていただいても構いません。お時間があれば是非。

僕は友達に勧められて、剣盾の冠後期からランクマッチに参加していました。当時は普通に弱く、ランクマッチの順位も5桁後半でした。SVが始まってからダブルバトルにも興味を持ち、いつしかダブルバトルがメインとなり、対戦を重ね今に至ります。

僕は、「読み」や「選出」等に代表される「プレイング」が得意なプレイヤーではなく、スタンパを握ってもうまく扱うことができませんでした。しかし「強い構築」を作ることで「プレイング」の壁を乗り越え、90%近い勝率を叩き出し、予選を抜けるまでに成長することができました。

強い構築とは

この記事では、「強い構築」の作り方を説明しますが、まずその前に「強い構築」のニュアンス的な意味について説明します。

「強い構築」とは、簡単に言うと「択を生まない構築」のことだと僕は考えています。ここで例として、カミラオス(悪)VSゴリララオス(水)の対面を考えてみましょう。

ひどい絵だ(笑)

※標題を簡略化するため、交代という選択肢はないものとします。また、ゴリララオス側のもちものは不明とし、カミラオスのもちものは、メガネ+きあいのたすきであると仮定します。

皆さんはカミラオス側のトレーナーだった場合、どのような技選択をしますか?少し考えてみてください。

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自分なりの技選択を考えられましたか?

それでは次に、その選択をしたときの裏目、つまりされたらまずい行動について考えてみましょう。

例えば、悪ラオスがゴリラに強打、カミが水ラオスにムンフォを打った場合について考えます。このときの裏目としては、グラスラ+アクジェの集中でカミが倒されたとき、ウーラオスがスカーフだったときなどが想定されます。つまり、前述のカミラオスの行動は、100%試合展開を有利にする行動とは言えません。そして「プレイング」の本質的な考え方は、状況にもよりますが、「ローリスク・ハイリターンな択を取り続ける」ということだと考えることもできます。

では、今回の盤面で、「ほぼ確実に試合展開を有利にする行動」は存在するのでしょうか。そうです。ないのです。どの選択にも必ず裏目があり、安定して自分のペースを維持できる択など一つもありません。一つもないからこそ、その空いた穴を埋めるべく「プレイング」によってローリスク・ハイリターンな択を取り続けることが必要となるのです。

しかし、この「プレイング」に頼ることなく、この盤面における正解の択を取る方法が一つあります。それは「構築を強くする」ということです。例えば、先程の盤面で悪ラオスの持ち物をおんみつマント、カミのテラスを草タイプに変更した場合について考えると、このときの正解択は、カミはラオス側ににテラスムンフォ、ラオスラオス側に強打(タスキ、見切り用)をすることだと思います。では、この行動に裏目は存在するのでしょうか。答えはNOです(型共有などによる一点読みを除く)。少し考えてみたらわかりますが、通常この対面で取られることの多いすべての行動に対して、自分のペースを維持し続ける事ができるのです。この、「対面からプレイングの要素を極限まで削り取ったもの」が「強い構築」であり、「プレイング」とはその補佐的なものでしかないのです。

プレイングとは運要素である

ここで少し、「プレイング」について考えてみます。プレイングとは前述の通り「ローリスク・ハイリターンな択を取り続ける」ことであり、構築の補佐的なものです。

プレイングという言葉は、聞こえが良く、抽象的な「上手さ」の概念として定着しているように感じます。たしかに、プレイングが上手い人はポケモンが上手い人でもあり、プレイング力は臨機応変な対応力として大切な能力です。しかし、それと同時にプレイングは大きな危険性をはらんでいます。それは、「噛み合い」がどうしても発生してしまうことです。プレイングに頼って戦っている以上、噛み合いによって負けてしまうことは避けられません。噛み合いをコントロールすることは不可能なため、「プレイングは、運要素である」と言えます(その確率を高めることも大切ですが)。よく、「プレイングは勝ってるのに聖炎火傷で負けた○ね」みたいなツイートを目にしますが、これは大きく間違っていて(あくまで主観です。また冗談として軽く言っている場合がほとんどだと思います)プレイングに頼っている時点である程度運ゲーを仕掛けているのと変わらないため、「運要素で勝っていたのに運負けした」という意味のわからない御託を並べる人だと感じてしまいます。また、この記事を書いている現在、pjcsの予選大会が行われていたのですが、オンライン大会の特性として、「どんなに上手い人、下手なひとでもレート1500からスタートする」というものがあります。このため、プレイングに頼るようなプレイスタイルの人は、噛み合いによって負けてしまう可能性が高く、苦戦していたように感じます。

プレイングとは運要素であり、プレイングを極限まで排除するとこが大切だという事です。

(捕捉)試合形式とプレイング

今回話しているプレイングや構築に関する内容はクローズドのBO1を想定したものとなっています。オープンシートやBO3に関してはまた違った考え方が必要になるのでここでは触れません。

構築を作ろう

僕のよくわからない理論に付き合ってくださりありがとうございました🫡ここから、「具体的にどのように構築を組むとよいのか」ということについて説明します。僕が予選抜けしたときの構築については別で構築記事を書く予定です。この方法で構築を組んでいるので時間があれば是非ご覧ください。

①環境を知る

環境を知ることは、構築を組むうえで必要不可欠です。環境への理解度を高めることで、次からの行程が楽になります。環境理解度を高めるためには、潜りまくるのが一番です。スタンパを使って対戦を重ねましょう。

②軸となる動き(並び)を考える

①を踏まえて、強そうな動きや並びを考えましょう。この段階で躓く人も多いですが、深いことを考える必要はなく、パオエンテイなどのよくある並びでも大丈夫です。とにかく「これを軸にするぞ」という並びを決めることがこの段階での目的です。基本的な構築に対しては、この二匹を初手に出すことを想定します。

また、ここでの「強い動き」とは、特定の並びに対するメタではなく、不特定多数の並びに対して強く動ける汎用的なものが望ましいです。

③環境に多い並びに対して安定行動を用意する

次に、前述のカミラオスのように、並びに改良を加えましょう。構築に多い並びから考えていきましょう。想定される行動全てに対応できる選択を作れるように、調整、テラスタイプ、持ち物、技などををいじっていきます。また、2匹で対応しきれない場合、安定行動としての交代を作ることも視野に入れます。ここで用意する安定行動は、初手のみで大丈夫です。(2手以降も想定できればなお良い)

この段階で、基本選出の4匹を決定します。軸の2匹や裏の1匹を加えた状態で安定行動を完成させた場合は、他2,3匹とのシナジーやタイプ、攻めの相性を考えて、不特定多数のポケモンに強くでれる、汎用性の高いポケモンを採用しましょう。

※環境に多い並びから順に、優先順位をつけて対策していきましょう。また、ドブベトンや寿司などの基本的な並びからかなり逸脱した並びへの対策はこの段階では必要ありません。

④基本から逸脱した並びへの対策

基本選出が完成したら、基本から逸脱した並びへの対策を残り2枠を使って行います。具体的な並びとしては、寿司、ドブベトン、滅びパ等が挙げられます。このようなパーティへのメタとなるポケモンを用意しましょう。僕のおすすめはマタドガス@1です。マタドガスは特性に頼った初見殺しコンボまで対応可能なので、そのようなパーティにストレスを受けることなく対処することができます。また、相手の選出を歪ませる事があるところも強みです。

⑤試運転&微調整

ここまでの行程を踏まえて6枠が埋まればいよいよ育成&試運転です。自分の考えた安定択が本当に試合展開を有利に進めることができるのかを確認しましょう。しっくり来なかった場合は、新しい安定行動を作るか、軸ごと解散してしまいましょう。諦めも肝心です。無事環境に多い並びに対して安定行動が通り、試合展開を有利にする事ができるようになったら、構築の完成です。必要に応じで微調整をかさね、最強の構築に進化させましょう。

⑥立ち回り

この方法で作った構築の使い方は単純です。まず基本的なパーティに対しては、初手を軸の2匹とした基本選出をぶつけます。そして事前に想定していた並びに対してはその安定行動を選択し、初手からアドを取ります。想定していない並びに対しては、②の段階で考えた「強い動き」を意識し、臨機応変に立ち回りましょう(ここで必要になってくるものこそが、プレイングです)

基本から逸脱した並びに対しては、その並びのメタとなるポケモンを選出し、戦っていきましょう。

⑦コツ

この構築の組み方を行うにあたって、最も難易度が高いところが、「安定行動を作る」部分です。この行程におけるコツをいくつか紹介します。

①全体技の採用…全体技を採用することで、相手の守るやサイチェン、指などに左右されることなく安定行動を通す事ができます。

②命中率の高い技を採用する…運負けを減らしたり、安定感を高めるために重要です。

③耐久が高めのポケモンを使う…耐久が高いと、相手のいろいろな技を耐えることができるので、守るを押す必要がうすくなり、攻撃などの「攻めの動き」を行う事ができるので、耐久が高いポケモンはこの構築方法に向いています。また、素早さに頼って安定行動を考えてしまうと、ウーラオスなどのスカーフ持ちが多いポケモンに崩されてしまいやすいという話もあります。

最後に

ここまでの長文を読み切ってくださりありがとうございます。今回はプレイングと強い構築、またその組み方について書かせていただきました。今回の組み方は、多くある構築の組み方のうち1つの方法に過ぎず、絶対に正しいものというわけではありません。しかし、この方法で構築を組むことで、プレイングへの依存度を減らすことができるので、勝率の安定、噛み合いによる敗戦及びプレミの減少を図る事ができます。また、この組み方で構築を組むと、あまり見ないような持ち物や技などを自然と採用できるので、オリジナリティ溢れる構築を組むことができます。この記事を読んでくださった皆さんの構築力が少しでも向上し、面白くオリジナリティ溢れる構築が増えていくことを祈念し、この記事を括らせて頂きます。ここまでのご精読ありがとうございました🙇

〜てぷ〜